好きな映画?というのかなんというか

実は大学3年生とき100本くらい映画を見た。邦画洋画問わずツタヤで年間ランキングやら芸能人のおすすめコーナーやらを回りまとめて1000円分借りるループをしていた。なんせ暇だったし、あとは、ESや雑談ネタに〜とか英語聴けるように〜とかご都合あわよくばの邪な気持ちがたぶんあった。もちろんものにならなかったけど。しかも4年次には飽きてやめてしまったな。

つまるとこ、一過性の熱に任せてスポーツみたいに見たはいいものの、興味もないまま大概を忘れちゃった〜…というワケ。これまでに見た映画のタイトル、パッケージを見ないと思い出せない派(そんなのあるかよ)。悲しいかな、好きな映画を聞かれてもぱっと浮かばないぐらい。けれど、見ていて悲しくなった暗い映画のことをなぜか刻銘に覚えてたりする。あれはひどい衝撃だったと。間違いなく私の忘れられない一本になっていて、それを見た時の感情の振れ幅ったらなかった。なのだが、ただ、こういうのって共感に苦しむ。なんていうんだろうな、本当は一度みてほしいし何らか共有できたらうれしいのだけれど、「酒のも」「なんか映画みよ」なムードに見る類でないから、人におすすめする機会はほぼこない。だいたい聞かれる時って、好きな映画とかおすすめの映画って言われるし。酒をひっかけスナック齧りながら見るやつがいいんでしょ?とか思うと、ちょっと違う気がして澱んでしまう。なぜかそっちはあんまり覚えていないから、知らないよってフリをする。というかあんまり覚えてないし。笑

前置きが長い。以下、出す場所がないからここに書いとくねです。

 

 

チェンジリング

私の中で断トツがこれ。アンジー主演に釣られて見たらとんでもなかった。たしか高校の頃かな?これは映画館で見た。冒頭の大学3年次にみたレンタル映画で結局超えてない衝撃だった。チェンジ…リング?は指輪を交換…?だなんてかわいらしい話では勿論なく、日本語にすると「とりかえ子」というタイトルのクリント・イーストウッド監督作品。あらすじとしては、アメリカの実話の誘拐事件を題材にしたもので、誘拐事件後失踪した息子が見つかって帰ってくるところから物語が始まる。これだけならハッピーエンドなんだけど、地獄はここから。このとき警察から引き渡されたのは、なぜか「あなたの息子だ」と言い張る別人の男の子なのだ。当然母親には、別人とすぐにわかるので本当の息子を探そうとする。しかし、少年を引き渡し「再会を果たした親子」的な報道をした後で(いわば警察の手柄を覆すような形となる)「別人だ」という申し入れは受け入られず、狂人扱いされながらも、母親が一人愛する息子の行方を探そうとする…という激重話。実話なのが吐きそう。本物の息子の捜索に取り合ってもらえず、事態が遅々として進まない苦しさにもがく上に、孤独に晒され、母親が狂人扱いされるくだりが特につらい。誰よりも守りたい息子が危険に晒されているのに、どうして、動いてくれないのか。真実を話してくれないのか。母親役のアンジーの感情を露わにした迫力のある演技に、胸を貫かれるような思いがした。この映画を見た時に初めて、ポップコーンを持つ自分の手が震えたのを覚えている。それほど重たく、辛かった。母親の迫力がすごかった。*1うーん…いやこんなもんじゃないんだけどな。なんというか、やはり不気味なのが、あなたの息子だと嘘をついて居座る謎の少年が家に居るというところで。しかもシングルマザーだったから家にたった二人きり。その子に自分の息子の部屋を与えて一緒に暮らすしかないとかいう環境下でいて、それがために本物の息子のことを警察は探してくれない現実。フラストレーション。物語が進むことで、その子に悪気があったわけでなく、彼は彼でその立場で必死だったことがわかるのですが、だからこそ譲らず容易に真実を話してはくれないため、世界でたった一人愛する自分の子どもが自分の元に帰ってきていないことを、ずっとずっと、お母さんだけはわかっているのに、誰より帰ってきてほしい存在をひとり孤独のなかで探すことになる。行動を起こすたび狂人扱いされながら。これが、ものすごくしんどい。実話がもとだっていうからもう、耐えられない。無知ながらこの映画みて「クリント・イーストウッドさんってすごいんだな」って(小並感)なことも思った。

まぁでも、私的にはとにかく、この作品に関しては母親役のアンジーがすげぇ。こんなふうにポップコーンを持つ手が震える経験をしたのは感情を激しくあらわす彼女が主演だったからだと思った。もう、これはだめでした。すごかった。まあまあネタバレ書いてしまったけど、こんなもんじゃ収まらないので、よければ作品を。まぁ心がある程度元気なときしか見れないけど。私もそれ以降は1、2回しか見れてない。見れない。

これ、少しだけ報われる部分もあるっちゃあるんですけど基本的には激ハードで私的にめっちゃだめなので、ハッピーな話しか見たくないって人には一生すすめられないんですよね。でも大丈夫!物好きだよって人いたらぜひ一度見てください………はい………………

 

イキガミ

これはあらすじ書くことないか。松田翔太主演の映画で、原作は漫画のよう。3つの家族の話が順番に出てくるんですけど、どれもなんかやるせなくて、叫びみたいな気持ちがみえてぼろぼろ泣いた。原作読んだことないので、ファンの方がというのはわからないですが、キャストも豪華で1つ1つ丁寧に描かれているという印象だった。

 

・アイランド

これは普通に見れるやつだと思う。タイトル被り多そうだから補足しておくと2005年・SFアクションのやつです。クローンを題材にしているけどわりとしっかりジャンル通りだったし見やすいはず。なんですけど、私がこれを見たのは確か中学の頃だったから、この設定は結構トラウマというか考えさせられて印象に残ってる。自分の知らないもう一つの世界がもし…とか厨二らしいことを思ったり。あとは、漠然と、知が遮断される怖さを見たというか、あ…(自分も)教育されたことしか知らないで生きてるんだわ…みたいなことを思ったりした。あり得ない設定ではあるけど、倫理観っているよな…とも。あとは、配役が美男美女。つよい。

 

1本目で力尽きてる感がすごい。いやまあ1本目が伝わってくれればいいか、どうか伝われ。でも、書いてたら1個、私内で欠かせない、たのしかったやつ思い出したから主旨ズレるけどこれを最後にしようと思う。

 

下妻物語

深キョン土屋アンナ主演、中島哲也監督。巌本野ばら先生原作の映画化。これはとにかくテンポが良い。おもしろい。ギャグ要素が次々現れて楽しく見れる青春映画。ヤンチャなひとたちいっぱい出てくるのも個人的にスキ。特に桃子祖母を演じる樹木希林さん。好き。あとは、桃子にちょっと憧れたし共感したから楽しかった。例が例なんだけど、例えば、親の離婚時に父(パチモンの商品売り捌くヤクザのダメ父)に着いてった理由を「だってそのほうがめちゃくちゃでおもしろそうだったから!」とか言い放ってたり、彼女ってすごく潔いんですよね。実体験的に親の離婚前しょっちゅう「あんたはどっちが好きなの?」とか聞かれてメンタル萎んでた私からすると、その逞しさうらやましいんだよなって。であって、そんなに割り切って生きているようでいて、好きなものには誰より一途で、そこに他人の目なんて関係ないという姿勢も特に好き。オタク心としての共感もあるし、憧れ?みたいなのも大きい。だって、人生懸けれるほど好きなものがあって、なりたい自分像がわかっていて、受け入れてくれる親友が居て…って、うーん控えめに言って最高ではー?あとは、あんまり関係ないけど、「ひとはひとりで生まれてひとりで死ぬの」なんてセリフとかも、そんなにはっきり言ってくれてありがとうって思った。だって、そうだもん。人生知らんけど。(笑)

 

まぁ言いたいこと言った!おわる!

*1:こんな話に突然ポップコーンだなんて馬鹿な…と思われるかもしれないが、私的にはアンジーってスパイ・アクション映画のイメージだったんだよね。Mr.&Mrs.スミスとかWantedとか…。だから軽率に当時の大好物TOHOシネマズのキャラメルポップコーン買って、序盤ごろはボリボリ食ってた。草